けうzenです。
今回は、「浪費癖」を治すための記事を書きました。
「給料日なのにもうお金がない…」「また衝動買いして後悔してる…」
収入はそれなりにあるのに貯金ができず、将来への不安と自己嫌悪のサイクルから抜け出せずに悩んでいないでしょうか。
ストレスやちょっとした気の緩みでつい無駄遣いしてしまい、「この浪費癖をどうにかしたい」「根本的な治し方が知りたい」と強く思っているかもしれません。
浪費癖は意志の弱さが原因だと思われがちですが、実は環境や仕組み、そして心理的な要因が複雑に絡み合って起きています。だからこそ、精神論だけでは解決が難しいんです。
この記事では、そんな浪費癖の原因となる要素を分解して解説、買い物依存から脱却するための手順5ステップを具体的に紹介します。
意志の力に頼らず、仕組みで浪費癖を治したい方は、ぜひ読み進めてください。
それでは、どうぞ!
浪費癖とは?
そもそも「浪費癖」とは何なのでしょうか。
どこまでが浪費ではなくて、どこからが浪費なんでしょうか。
浪費の意味
「浪費」を辞書で引くと、以下のように書いています。
[名](スル)金銭・時間・精力などをむだに使うこと。むだづかい。「資源を—する」「—家」
weblio辞書
要するに、私たちにとって有限のリソースを無駄にする、ということです。
でも、私たちにとって本当に問題なのは、「無駄」の感覚が人によって全然違うってことじゃないでしょうか?
たとえば、誰かにとっての「気分が上がるブランドバッグ」は、別の人にとっては「ただのちっちゃいカバン」かもしれません。
つまり「浪費」とは、「自分にとって、使った金額に見合う満足感や将来的な価値が得られないお金の使い方」といえます。買った直後は満たされるけど、後になって後悔しか残らない買い物。これが、私たちの多くが望まない「浪費」というものの意味するところです。
浪費癖のある人の特徴
では、そんな浪費をよくしてしまう、浪費癖のある人にはどんな特徴があるのか?浪費癖がある人には、いくつかの共通点があります。当てはまるものはないか、チェックしてみてください。
もし当てはまっても、自分を責める必要はありませんよ。大切なのは、「ああ、これが私の浪費のトリガーになっているんだな」と気づくことです。
買う場へのアクセスが近い
最近は本当に便利になりましたよね。スマホをポチッとすれば、欲しいものが翌日には届く。キャッシュレス決済なら、財布すら開かずに済みます。この「買う場へのアクセスが近い」状態こそが、浪費の最大の要因の一つです。
買うことがストレス解消
仕事で疲れた、人間関係がうまくいかない、漠然とした将来への不安がある……。そんなときに、ついつい手が伸びてしまうのが「買い物」ではないでしょうか?
何かを買う瞬間の「快感」は、一時的に心のモヤモヤを吹き飛ばしてくれます。浪費癖のある人は、「買い物」をストレス解消の手段として無意識のうちに使っているんです。
限定・セールに弱い
「今だけ!」「〇%オフ!」「残りわずか!」。この言葉は「これを逃したら損だ!」という、人間の「損失回避の心理」を巧みに突いたマーケティングです。本当は必要ないのに、「お得だから」という理由で買ってしまう。その後、家に帰って冷静になると、「あれ?これ、本当に必要だったっけ?」と後悔する。この「損したくない」という心理が、結果的に「お金を損する」浪費につながっている。このことに気づくのは早ければ早いほど良いです。
浪費癖のデメリット
この記事をここまで読み進めてこられた方には、「浪費癖は良くない、治すべきもの」という考えに賛同していただけると思います。
では実際、浪費癖にはどんな具体的なデメリットがあるのか?デメリットを具体的に知ることは、そうなりたくない、浪費癖を治す強い動機につながります。浪費癖がもたらすデメリット、見ていきましょう。
本当に必要なときの備えが作れない
浪費癖があると、いくら収入が多くても、そのほとんどが「今」を満たすために消えてしまいます。結果、本当に必要になったとき、たとえば急な病気や怪我、大きなライフイベント(結婚、出産、住宅購入など)に対応する「備え」が作れません。何かあったときに頼れるものが手元にないという状況は、常に不安を1つ抱えて生きているような状態です。
自己嫌悪ループ
衝動買いをしてしまうと、買った直後は満たされても、その直後に襲ってくるのが「自己嫌悪」ですよね。「またやってしまった」「どうして自分はこんなに意志が弱いんだろう」と、自分を責めてしまう。
この自己嫌悪が、またストレスとなり、そのストレスを解消するために、また衝動買いをしてしまう。この自己嫌悪ループから抜け出せないことが、浪費癖の最も辛いところではないでしょうか。このループを断ち切らない限り、精神的不安定の解消は難しいです。
借金を抱える
浪費癖がひどくなると、手持ちの現金や預金だけでは飽き足らず、クレジットカードの分割払いやリボ払い、さらには消費者金融などに手を出してしまう未来もあり得ます。
借金は、将来の自分からお金を借りて「今」の快楽を満たす行為です。しかも、高い利息という形で未来の自分に重い負担をかけます。浪費癖を放置すると、いつの間にか雪だるま式に借金が増え、経済的な自由を完全に失いかねません。お金の不安が、人生全体の不安へと変わってしまうのです。
これらデメリットを断ち切って、お金の不安に人生を支配される状況から抜け出すことが、浪費癖を治す最大の動機です。
浪費の構成要素
ここまで、浪費癖とは何か?そして、治すべき理由について共有しました。ここからは、ではどうやって浪費癖を治すのか?について説明していきます。
浪費癖を治すためには、「なぜ自分は浪費してしまうのか?」という原因を、分解して理解することが大事です。
浪費は、ただ衝動的に起きているわけではなく、いくつかの要素が絡み合って成立しています。ここでは、浪費を形作る3つの主要な構成要素について、具体的な視点から掘り下げていきます。
1. 実行可能性
そもそも、買うための「手段」がなければ、浪費は成立しません。現代社会ではこの「買う」という実行可能性が、驚くほど高く設計されています。
買うお金(現金・クレジット枠)がなければそもそも買えない
いくら欲しいと思っても、財布の中に現金がなかったり、クレジットカードの限度額を超えていたりすれば、物理的に買えませんよね。当たり前のことですが、非常に重要です。
キャッシュレス決済の普及
筆者は、現金で払うときと、スマホやカードで「ピッ」と払うときでは、「お金が減っている感覚」が全く違います。皆さんはどうですか?
キャッシュレス決済は確かに便利ですが、その手軽さが「お金を使っているという意識」を麻痺させてしまうという、大きな落とし穴があります。電子データ上の数字が動くだけで、財布から紙幣が消える視覚的な消失がありません。
手元にお金がなくても買える環境
「今はお金がないけど、来月払えばいいや」という感覚で使えるのが、クレジットカードや後払い決済ですよね。
本来、買えないはずのものを「買える」状態にしてしまうこの環境は、浪費癖を持つ人にとって麻薬のようなものです。買う能力が「今」の手持ちを超えて拡張されてしまうと、歯止めがきかなくなってしまいます。
2. 場所
買う「場所」へのアクセスも、浪費を左右する決定的な要素です。無意識のうちに、浪費をしやすい「場所」に近づいていませんか?
買う場所(店舗・ECサイト)がなければそもそも買えない
もしあなたが住んでいる半径1km以内にコンビニもスーパーもショッピングモールもなければ、買い物をする機会は激減するでしょう。
浪費は、その「場所」に誘われて起こることがほとんどです。物理的な店舗だけでなく、スマホの中のECサイトやフリマアプリも、立派な「買う場所」です。
スマホ一つで24時間買い物できる環境
以前は、店舗が閉まる深夜以降は、物理的に買い物はできませんでした。しかし今はどうでしょう?深夜のベッドの中でも、通勤中の電車の中でも、スマホ一つで簡単に注文できてしまいます。
この「いつでもどこでも買える環境」は、私たちの自制心が最も弱くなる時間帯(たとえば夜中や疲れている時)に浪費を誘発します。何らかの対策が必要なのは明確でしょう。
買い物の場所に近づく頻度が高いほど浪費リスクが上がる
シンプルに、買い物をする場所やサイトに近づけば近づくほど、浪費のリスクは上がります。
例えば、「家に帰る動線にあるコンビニに毎日立ち寄る」「SNSでフォローしているインフルエンサーが頻繁に商品を紹介する」など、「見る」「触れる」「近づく」頻度が、浪費できる回数に比例しています。
3. 心理
最後の要素は「心理」です。浪費は、単に「物が欲しい」というだけではなく、心の中の何かを満たそうとする行動であることが多いです。
ストレス発散:買う行為自体が快感
前述しましたが、多くの浪費は「ストレス発散」が目的です。この場合、「何を買ったか」よりも、「買ったという行為そのもの」に快感を求めている場合があります。
一時的にドーパミンが放出され、気分が良くなる。でも、その快感はすぐに消え、根本のストレスは残ったままです。
見栄や承認欲求:世間体や他人からの評価を買ってる
「良い服を着ていないと恥ずかしい」「最新のガジェットを持っていないと仲間外れにされてる気がする」といった感情はないでしょうか。
これは、「物」を通して他人からの「評価」や「承認」を買おうとしている心理です。自己肯定感の低さを、「物」で補おうとする心理です。
欠乏感の埋め合わせ:心の隙間を物で埋めようとしている
幼少期の経験や、現在の生活で満たされていない「欠乏感」を、物を買うことで一時的に埋めようとします。
寂しさや不安、虚無感を、新しい服や美味しい食べ物、便利なガジェットといった「新しい体験」で覆い隠そうとする心理です。
浪費癖から脱却するための5ステップ
浪費癖のメカニズムが分かってきたところで、いよいよ具体的な「治し方」に入っていきましょう。
浪費癖は、生まれつきのものではありません。習慣や環境、そして心のあり方が作り出したものです。必ず変えることができます。
ここでは、誰でも実践できる浪費癖の体系的な脱却法を、5つのステップを解説していきます。
現状把握
浪費癖を治すためには、「自分を知る」ことが不可欠。まずは自分が一体何にどれだけのお金を使っているのか、冷静に数字として把握することから始めましょう。
支出を記録して現状を知る
まずは1ヶ月間、自分が何にお金を使ったのか、支出を記録します。家計簿アプリでも、ノートでも構いません。重要なのは、「いつ」「どこで」「何に」「いくら」使ったかを把握することです。
最初は面倒に感じるかもしれません。しかしこれが全ての出発点です。
「浪費癖、治したいな〜」と漠然とした思いを、実際の行動に移す第一歩です。
これをやらないと、自分の浪費がどのくらい深刻なのか、どこに改善の余地があるのかが、永遠に分かりません。
健康診断と同じで、まずはデータを集めていきましょう。
カテゴリ別に集計
1ヶ月分のデータが集まったら、次は支出をカテゴリ別に分けて集計してみましょう。「食費」「交際費」「被服費」「趣味・娯楽費」など、ざっくりで構いません。
このとき、特に注意してほしいのが、「なくても生活できるけど、使ってしまうお金」、すなわち「浪費」にあたる部分です。
浪費のパターンが見えてくる
集計作業をしていると、「浪費のパターン」が浮かび上がってきます。
「週末になると決まって外食費が増える」「残業で疲れた水曜日の夜、ネットショッピングで衝動買いしている」「コンビニに寄ると、つい新商品を買ってしまう」など、あなたの浪費がどのタイミングで、どんな感情と結びついているのかが見えてきます。このパターンこそが、あなたの浪費の「トリガー(引き金)」です。トリガーが分かれば、次はそのトリガーを引かせない対策を講じることができます。
%管理
現状が把握できたら、次は「仕組みで解決」するフェーズです。浪費癖を持つ人の多くは、意志の力だけでお金を管理しようとしても難しいです。私たちは機械ではないので、意志は簡単に揺らぐもの。だからこそ、意志に頼らない「自動化の仕組み」を作りましょう。
収入から目的別に使える額を%で自動振り分けする仕組みを作る
収入が入ってきたら、「これだけは貯金」「これは固定費」「これは自由に使えるお金」と、最初に役割を決めてしまう仕組みを作ります。
たとえば、「貯金20%、固定費70%、自由費10%」のように、割合(パーセント)で決めると、収入が増えても管理しやすいです。「残ったお金を貯金する」のではなく、「貯金すべきお金を確保してから、残りで生活する」仕組みにしていきます。
先取り貯金:即座に貯金分を振り分け
この仕組みの核となるのが、「先取り」です。給料が振り込まれたら、即座に貯金分を、普段使わない別の銀行口座へ移してしまいましょう。
これで、あなたの目に見える「使えるお金」は、最初から生活費と自由費だけになります。「手元にないお金は使えない」という物理的な制限をかけます。目の前に札束があれば使ってしまうのが人間ですから、見えないところに隠してしまうのが一番です。
使えるお金が最初から制限されているので物理的に浪費できない
このステップの最大のメリットは、「物理的に浪費が不可能」になることです。
貯金口座に入れたお金には、もはや手を出す必要がありません。自由に使えるお金も、予算をオーバーしたらその時点で「もう終わり」と決めるだけ。あとは、その残高を見ながら生活すればいいだけなので、「使っていいかどうかの判断」に意志の力を消耗しなくて済むようになります。
自動化することで意志の力に頼らない
この「%管理」の仕組みを、銀行の自動振込機能や、後述する自動振り分けサービスなどを利用して自動化することが肝心です。
なぜか。
「今日は疲れたから、振り分け作業は明日でいいや」という日こそ、衝動買いをしてしまう危険な日だからです。自動化すれば、あなたがやることは一切なくなり、意志の力ではなく、システムがあなたのお金を管理してくれます。
アクセス見直し
浪費を誘発する「場所」や「環境」へのアクセスを、意識的に制限していきます。
買う場所へのアクセスを意図的に面倒にする
究極の対策は、「買う行為を面倒にする」ことです。人間は、面倒なことは続けづらい生き物です。その習性を逆手にとりましょう。
たとえば、スマホで1秒で買えるなら、浪費してしまいます。しかし、買うために家の外に出て、電車に乗って、特定の店まで行かなければならないなら、「やっぱいいや」となる確率はグッと上がります。この「面倒くさい」という壁を意図的に作っていきます。
ショッピングアプリを削除、通知をオフにする
あなたのスマホのホーム画面に、Amazonや楽天市場、フリマアプリのアイコンはありませんか?それらは、24時間あなたを誘惑する「ミニ・ショッピングモール」です。
思い切ってアプリを削除するか、フォルダの奥深くに隠しましょう。そして、セールや新着情報のお知らせ通知は、全てオフにしてください。目に入らなければ、意識を向ける回数も必然的に減ります。
クレジットカードを持ち歩かない、登録情報を消去する
浪費の「実行可能性」を下げるための最も効果的な方法の一つです。日常的な買い物はデビットカードやチャージ式電子マネーにして、クレジットカードは家に置いて出かけるようにしましょう。
さらに、ネットショッピングサイトに登録してあるクレジットカード情報や住所を消去してください。購入のたびに情報を入力する必要があるようにします。手間が増えるだけで、「即ポチ」の衝動を食い止める「立ち止まる時間」が生まれます。
よく行く店やショッピングモールへの動線を変える
あなたの通勤路や散歩コースに、ついつい立ち寄ってしまう店はありませんか?もしあるなら、意図的にその動線を変えてください。
環境をコントロールすることで、自分自身の自制心に負担をかけないようにしましょう。
吟味ルール
「買いたい」という衝動が湧いたとき、本当にそれを買うべきなのか判断する吟味ルールを作ります。
24時間ルール
特に高額なものや、衝動的に欲しくなったものに対しては、「24時間ルール」を設けます。カゴに入れたまま、あるいは欲しいものリストに書き留めたまま、丸一日放置します。
本当に必要なものであれば、24時間経ってもまだ欲しいはずです。浪費の多くは時間と共に、「あれ?なんであんなに欲しかったんだろう?」となることが多いはずです。衝動の勢いを殺すことが目的です。
ここで大事なのは、「タイムセール」や「早い者勝ち」などへの考え方です。
「タイムセールだと今しか買えないから24時間も考えてる場合じゃない」と思うかもしれません。
ですが、考えてみてください。
「タイムセールだから今買うしかない」というなら、究極的には時間を制限されたら何でも買うということでしょうか?
そんなはずはありません。
本当に必要なものは、タイムセールだろうとそうでなかろうと必要なはずです。
つまりタイムセールは、本来必要ないものを、買う方向に傾かせる仕掛けなんです。
売り手側はこちらが冷静に吟味する時間を奪いにきてるのです。
一旦立ち止まって24時間寝かせた後、それでも必要となれば、タイムセールが終わっても買えばいいんです。
割引分損したと感じるかもしれませんが、セールに踊らされて必要ないものを買ってしまう損よりはましです。
3つの質問
何かを買う直前には、この3つの質問を自分に投げかけてください。
- 「本当に必要か?」: これがないと生活に困るのか、仕事ができないのか。
- 「今すぐ必要か?」: 1週間後、1ヶ月後でも問題ないのではないか。
- 「代替手段はないか?」: すでに持っているもので代用できないか、借りることはできないか。
設定した予算を超えていないか
「%管理」のステップで設定した予算を思い出してください。
「これは今月の自由費の予算内だろうか?」と。予算オーバーであれば、「買わない」ではなく「買えない」以外の選択肢はない、ということになります。
リストにあるものだけ買う:事前に作った買い物リスト以外は買わない
スーパーに行くときでも、ネットショッピングをするときでも、事前に「買い物リスト」を作る習慣をつけます。
そのリストにないものは「買えない」ルールです。リストにないものを買うときは、それは全て「衝動買い」だとみなし、吟味ルールを1から適用します。つまり「24時間ルール」からまた吟味を始めます。
代替行動
人は、心の隙間やストレスを埋めようとして浪費します。つまり、浪費以外の健全な方法で、その「穴」を埋める行動を準備しておくことが、根本的な解決につながります。
代わりの行動を事前に決めておく
あなたが浪費のトリガーを感じたとき、すぐさまできる「代替行動リスト」を準備しておきましょう。たとえば、「無意識にスマホを手に取ってアプリを開きそうになったら、本を手に取る」といった具体的な行動です。
健全なストレス発散法
浪費の最大の原因である「ストレス」を、健康的かつお金のかからない方法で解消する習慣を身につけましょう。
体を動かす、自然に触れる、本の世界に没頭する、信頼できる友人と話すなど、「物ではない満足感」を得られる行動を見つけてください。買い物は一時的な快感ですが、運動で得られる達成感や、人との繋がりで得られる安心感は、持続的な心の安定につながります。
10分間別のことをする
強い衝動は、実は長くは続きません。多くの衝動買いは、その「衝動の波」のピーク時に発生します。
衝動を感じたら、「今から10分間、別のことをする」と決めておきます。たとえば、皿を洗う、掃除をする、意味のない落書きをする、何でも構いません。10分後には、衝動の強さが半分以下になっていることに気づくはずです。
欲しいものリストに書き留める
衝動的に「欲しい!」と感じたものは、すぐに買わずに、「欲しいものリスト」という名の保留箱に書き留めましょう。
不思議なことに、リストに書き出すだけでも、脳は「もう手に入れた」と錯覚して、一時的な満足感を得られることがあります。そして、24時間後にそのリストを見返したとき、本当にまだ欲しいのかどうかを吟味すればいいのです。
買い物以外の「自分へのご褒美」を用意しておく
「我慢ばかりじゃ続かない」というのも事実です。浪費の代わりに、お金をあまり使わずに自分を労る「ご褒美」を用意しておきましょう。
たとえば、「今月は衝動買いをしなかったら、いつもより良い香りの入浴剤を買ってゆっくりお風呂に入る」「行きたかった公園で読書をする」など、物ではなく「体験」にご褒美をシフトさせるのがコツです。
浪費癖脱却のためのおすすめアプリ・ツール
浪費癖を治すには、ご自身の努力や習慣の見直しが不可欠ですが、現代にはその努力を強力にサポートしてくれる便利なツールがたくさんあります。特に重要な「現状把握」と「%管理」、これらを自動化するためのアプリやサービスを賢く活用して、楽に、確実に浪費癖から脱却しましょう。
今何にお金を使ってるか、把握するアプリ
手動で家計簿をつけるのは続かない……という方こそ、このタイプのアプリを活用してください。デジタルで支出を記録し、客観的なデータとして自分の浪費パターンを知ることは、改善の第一歩です。
おすすめ:マネーフォワード、Zaim、MoneyTree
もしどれを使うか迷ったら、マネーフォワード MEやZaim、MoneyTreeといった大手アプリから試してみるのがおすすめです。これらは金融機関との連携が豊富で、使いやすさも折り紙付きです。まずは一つ試してみて、あなたにとって使いやすいものを見つけてください。
銀行口座やクレジットカードと連携して自動記録
最近の家計簿アプリは本当に優秀です。銀行口座やクレジットカード、電子マネーと連携させることで、あなたが使ったお金を自動で記録してくれます。
これは、浪費癖を持つ人にとって最高の味方です。なぜなら、記録漏れを防ぎ、面倒な記録を楽にし、レシートを溜め込むストレスから解放されるからです。
支出を視覚的に把握
アプリの醍醐味は、集めたデータを自動で分析してくれる点にあります。
「浪費の可視化」は、浪費改善のための強力なモチベーションになるはずです。
改良ポイントが明確になる
グラフを見れば、あなたの「浪費のクセ」が如実に表れます。「カフェ代」「コンビニでのついで買い」「趣味の消耗品」など、あなたが改良すべき具体的なターゲットが明確になります。
ターゲットが絞れれば、対策も打ちやすくなります。「カフェ代を半減させるために、今週は水筒を持参する」といった具体的な行動計画に落とし込めるんです。
レシート撮影機能で現金払い記録簡略化
キャッシュレスは自動記録できるけど、現金で払った分は管理が一手間面倒だったりします。おすすめしたアプリには、レシートをスマホのカメラで撮影するだけで、自動で金額や項目を読み取ってくれる機能があります。
これを活用して、現金を使っても簡単に記録が残せ、全ての支出を一つのアプリで管理できる状態が構築できます。
収入を用途毎に自動振分するサービス
続いて、先ほど「%管理」のステップで解説した「先取り貯金」と「予算の自動振り分け」を、意志の力なしで実現するためのサービスです。
おすすめ:住信SBIネット銀行、みんなの銀行
ネット銀行の中には、「先取り貯金」と「予算の自動振り分け」に適した機能を持つところがあります。たとえば、住信SBIネット銀行の目的別口座や、スマホ銀行であるみんなの銀行のボックス機能などが有名です。
これらを活用して、お金に「役割」を与え、自動で管理する仕組みを構築していきます。浪費癖は、感情の問題であると同時に、環境と仕組みの問題でもあります。ツールを味方につけて、無理なく、着実に土台を固めていきましょう。
目的別口座に自動で振り分け
給料が振り込まれた直後に、あらかじめ設定した割合や金額で、自動的に貯金用口座や目的別の口座へ資金を移動してくれるサービスを利用しましょう。
これにより、「振り分けよう」と意識する必要すらなくなります。毎月決まった日に、勝手に貯金し、手元に残ったお金だけを使って生活することになります。
貯金用、生活費用、自由費などを事前設定した割合で分配
たとえば、貯金口座とは別に「旅行費用」「緊急予備費」といった目的別口座を作り、給料の5%は「旅行費用」へ、5%は「緊急予備費」へといった具合に、細かく分配を設定できます。
これによって、漠然とした「貯金」ではなく、「何のための貯金か」が明確になるため、貯金のモチベーションも上がりますし、途中で使ってしまう誘惑にも打ち勝ちやすくなります。
先取り貯金の自動化、意志力不要
「自動化」こそが、このステップの鍵です。私たちの意志は常に変動しますが、システムは設定した通りに動き続けます。
「口座の残高=使えるお金」という状態を強制的に作り出すことで、余計なことを考えずに、残高の範囲内で生活する練習をすることができます。
まとめ
今回は、浪費癖に悩み、将来への不安や自己嫌悪を感じている方に向けて、買い物依存から脱却するための具体的な5つのステップとサポートツールについて解説しました。
- 浪費は意志の弱さだけが原因ではなく、「実行可能性」「場所」「心理」の3要素が複雑に絡み合って起きている。
- 改善の第一歩として、家計簿アプリなどで1ヶ月間の支出を記録し、自分の浪費パターンとトリガーを可視化することが不可欠。
- 「先取り貯金」と「%管理」で、使うお金を物理的に制限する仕組みを作ることで、意志の力に頼らず支出をコントロール。
- 買い物アプリの削除やクレジットカード情報の消去など、買うまでのハードルを意図的に上げる「アクセス見直し」が有効。
浪費癖は、決して治らないものではありません。記事でお伝えした通り、それは環境や習慣によって強化された一時的な状態にすぎません。原因を理解して、感情に頼らない「仕組み」を整えることで、必ずコントロールできるようになります。
この5ステップを実践することで、毎月の支払いに怯える日々から解放されます。衝動買いの後に襲ってくる激しい自己嫌悪がなくなり、代わりに計画的にお金を使えているという感覚がついてくるでしょう。
まずは、紹介した家計簿アプリをインストールしてみる、あるいは、買い物アプリの通知をオフにする、そんな小さな一歩から始めてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

