「なんであの時あんなこと言っちゃったんだろう…」
「またうまくできなかった…」
「どうして私って、こうなんだろう…」
したくないのに、自分にダメ出しばかりしてしまう、そんな経験はないでしょうか。
気づけば、心の中はネガティブな言葉でいっぱい。ほんの些細な出来事なのに、ぐるぐる考え続けてしまう。
前向きになりたい気持ちはあるのに、空回りでうまくいかない。
でも、もし今のその気持ちが「ちょっとした習慣」で変えられるとしたら――ちょっと気になりませんか?
今回は、ネガティブ思考の原因やクセに触れながら、小さく始めるポジティブになる方法を7つご紹介します。
「ポジティブになる方法」は、“一発逆転の魔法”じゃありません。
でも、小さな習慣の積み重ねで「変わった」と感じられる日が来るはず。
あなたの中にある“ポジティブの芽”を、そっと育てていくヒントを探っていきましょう。
なぜポジティブになれないのか?
なぜ私たちは「ポジティブに考えよう」と思ってもなかなかうまくいかないのか。それにはちゃんとした理由があるんです。
ネガティブな記憶の方が保持力が強い
人間の脳は、生き延びるために「嫌だったこと」「傷ついたこと」を強く覚えるようにできています。
ポジティブな出来事はすぐに忘れてしまうのに、ちょっとしたミスや他人からの嫌味な一言は、いつまでも頭に残ってること、ありませんか?
これは「ネガティビティ・バイアス」という脳の性質のせい。
ネガティビティ・バイアスとは、人間がポジティブな情報よりもネガティブな情報に対して敏感に反応し、それをより強く記憶・評価する傾向のこと。
例えば、SNSにおいて、100コのいいねが付いていても1つの批判的なリプライが気になり、いつまでも心に残ってしまう現象は、このバイアスによるものである。
この心理的傾向は、進化の過程で危険や脅威に素早く対応するために発達したと考えられており、現代においても人間関係や情報の受け取り方、意思決定などに影響を与えている。
つまり、あなたがネガティブなのは、「性格が悪いから」でも「考え方が歪んでるから」でもなく、人として自然な反応なんです。
他人との過剰な比較が加速している
SNSを開けば、誰かのキラキラした日常が流れてくる今日。
見たくなくても、意識せずとも、私たちはいつも誰かと自分を比べてしまっています。
「なんであの人ばっかり」「それに比べて自分は」という具合に。
こんな風に感じてしまうのも当然のことです。
でも、SNSやネット上にある投稿は、その人の“良い瞬間だけ切り取ったもの”ということも一つ忘れてはいけません。
成功よりも失敗しないことが重要視される社会観
「ミスするくらいなら手を出さない方がいい」「恥をかくのが怖い」。
そんな気持ち、身に覚えはないでしょうか。
私たち日本人は、学校でも職場でも、「失敗しないこと」が正しいとされる文化の中で育ってきました。
チャレンジすることよりも、ミスしないこと。一声あげるよりも、和を重んじ空気を読むこと。
そんな社会観が、知らないうちに「道を逸れないように」「我慢しよう」という暗黙の圧力を放って、新しいことを前向きに考えづらくさせています。
ネガティブからポジティブになる方法7選
ここからは、実際にネガティブから抜け出してポジティブに近づくための具体的な方法を紹介していきます。
どれも「完璧にやらなきゃ」なんて思わなくてOK。
大事なのは、小さく始めてみることです。
気になったものから、できそうなことを1つでも試してみてください。
好きな言葉・捉え方を増やす
言葉は思考の道具。
言葉をたくさん知ることは、捉え方の選択肢が増えることにつながります。
ネガティブな捉え方しかできなかった場面にも、新しい視点を持ち込みやすくなります。
例えば、過去の自分を恥ずかしく思うエピソードがあったとき、「今の自分が過去の自分を恥ずかしく思うなら、それは成長している証拠」という捉え方に出会っていれば、過去を前向きに捉え直すことができるかもしれません。
考え方・捉え方を自分で切り開くのは難しいかもしれませんが、そんな今を生きる私たちのために、過去の賢人たちが言葉を残してくれています。
たくさんの言葉・捉え方に触れて、好きな言葉・捉え方を見つけてみましょう。
お気に入りの本や詩、偉人の名言、エッセイなど、「これいいな」と思える言葉をストックしておくのもおすすめです。
ネガティブ感情をキャラ化する
落ち込んだり、イライラしたり、自己否定したくなる瞬間ってありますよね。
そんな時は、ネガティブな感情を「キャラ化」してみましょう。
例えば、心の中にいる「不安くん」や「自己否定魔人」がわーわー言ってくるイメージ。
そこに「なんでやねんっ!」ってツッコミを入れてみる。
ちょっとふざけた感じで向き合うだけで、気持ちが軽くなったりします。
この方法は、感情を自分から切り離して客観的にみる「外在化」という心理学的なテクニックのひとつです。
アニメ・漫画の悪役のちびフィギュアなど、グッズを「ネガティブ感情のキャラ」に見立てるのもアリです。
寝る前、今日の「ちょっと感謝」をしたためる
日々の中には、小さな「ありがたい」がたくさんあるはずなんです。
でも忙しかったり、落ち込んでいると気づけなかったりしますよね。
だからこそ、寝る前に「今日のちょっと感謝」を書き出す時間をつくるのがおすすめ。
たとえば、「コーヒーがおいしかった」「コンビニの店員さんが感じよかった」そんなことでいいんです。
ネガティブ思考が「足りないもの」にフォーカスするクセなら、この習慣は「すでにあるもの」に意識を向ける練習になります。
「ちょっと感謝」記録を見返す
感謝を記録していくと、日々の感謝が貯まっていきます。それを時々見返してみましょう。
「このときの自分は、こんなことに感謝を感じていたんだな」と、自分の中のポジティブな経験を追体験して、こんな視点もあったなということを思い出させてくれます。
特に、落ち込んだ時にこそ見返すと効果的。
“過去の自分が書いたポジティブ”が、今の自分を救ってくれることもあるんです。
呼吸と姿勢を整える
心は身体の機能の一つ。
イライラしてる時や落ち込んでいる時は、呼吸が浅くて姿勢も悪くなりがち。
そんなときは、シンプルに「深呼吸する」「姿勢を正す」といったアプローチが簡単かつ効果的です。
深呼吸しながら背筋を伸ばすだけでも、自律神経が整って、気分が少し前向きになります。
ちょっと疲れたな、と感じたとき、意識的に呼吸してみてください。
五感をもてなす
「気分が上がらない」と感じるとき、実は感覚が鈍ってることもあります。
そんな時は、五感を意識的に心地よくもてなしてあげるのがおすすめ。
- いい香りを嗅ぐ(アロマ)
- 好きな音楽を聴く
- 触り心地のいいクッションに体を預ける
- 丁寧に淹れたお茶を味わう
- 美しいものを眺める(花、アート、景色)
こうした小さな体験が、「あ〜、なんかいいかも」と心をゆるめてくれます。
淚活する
ちょっと変わった方法ですが、あえて泣く=淚活もかなり効果的です。
泣ける映画や小説を見て、感情を思いっきり流す。
すると、溜まっていたものが流れて不思議とスッキリします。
ちなみに、涙にはストレスホルモンを流す効果もあるんです。
涙=弱さじゃなくて、涙=リセットの時間。
そんな風に捉えて、あえて泣いてみるのもアリです。
まとめ
今回は、なかなかネガティブ思考から抜け出せないと悩む方に向けて、ポジティブになる方法7選をご紹介しました。
- ネガティブ思考は「脳の性質」や「社会観」によって引き起こされる自然な反応
- ポジティブになる方法7選:
- 言葉のストックで捉え方の幅を広げる
- ネガティブ感情をキャラ化して客観視
- 寝る前の「ちょっと感謝」記録
- 「ちょっと感謝」記録を見返す
- 呼吸と姿勢で心の土台を整える
- 五感を心地よくもてなす
- 淚活で感情を洗い流す
ネガティブな状態から抜け出すには、無理に前向きになろうとするよりも、まずは「今の自分をそのまま受け止めること」から始まります。
そこに少しずつ、自分なりの小さな習慣を積み重ねていくことで、ポジティブな感覚が自然と育っていきます。
今回ご紹介した方法は、自分に対して優しくなれたり、感情に振り回されずに冷静に向き合えるようになったり、今ある日常の中に小さな喜びや希望を見つける力を少しずつ伸ばすためのものです。
劇的な変化ではなくても、「最近、いい感じかも」と感じられるような、穏やかながらも着実な変化が訪れるはず。
まずは、紹介した7つの方法の中から「これならできそう」と思えるものを1つだけ選んで、試す時間を明日の予定に入れてみてください。
小さな一歩こそが、ネガティブから抜け出す確かなきっかけになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。